giroflex(ジロフレックス)というメーカーをご存知でしょうか?
ジロフレックスはオフィスチェアを中心に開発を続けるスイスの老舗メーカーであり、世界で初めてワーキングチェアにエルゴノミクス(人間工学)という概念を取り入れたことでも有名です。
世界初の回転式オフィスチェア、世界初のスプリング回転チェア、世界初のキャスター付チェアとその功績はまさにオフィスチェアのパイオニアと呼ぶにふさわしいものばかり。現代のオフィスチェアの原型はジロフレックスが作り上げたと言っても過言ではないでしょう。
そんな由緒正しいジロフレックスチェアの中でも特に人気なのが、代表作とも言える『giroflex 33』。グッドデザイン賞を受賞し、今でも常に根強いファンを獲得し続ける実力派です。オフィス全体をこの椅子で揃えたりする企業も少なくないとのこと。以下はメーカーからサンプルをお借りして半年、私が毎日座り続けた生の感想です。
まずはお借りした当時のファーストインプレッションですが、座った瞬間まず「お?硬いな」と思いました。おそらく多くの方が初めて座った瞬間に「硬い」と感じるでしょう。しかし長時間座っているうちにこれが極力腰に負担をかけない丁度いい硬さだとわかります。
実は人間の腰への負担は、立っているときよりも座っている時の方が大きいものです。
立っているとき、人間の背骨はゆるいS字のカーブを描き骨盤に乗っかることで安定しています。しかし座っている姿勢では骨盤が背骨まっすぐにを受け止めてくれず、変わりに背骨の「腰椎」という部分に上半身の重みが圧し掛かることになります。
ここで柔らか過ぎる椅子は腰椎を安定させることができず、腰に負担をかけてしまい、結果として腰痛を引き起こしてしまいます。
つまり
腰椎を安定させるにはある程度の硬さが必要になるということです。
余談ですが最近は「ランバーサポート」というピンポイントで腰をサポートする機構が開発され、
メッシュ素材などの比較的柔らかいチェアでも腰にあまり負担をかけないようにすることができるようになってきております。
続いてシンクロムーブ機構です。
チェアの中には背もたれに体重をかけて倒すと座面も同じ角度で傾いてしまうものがありますが、こういった場合座面の前部で大腿部が圧迫されてしまいます。giroflex33では背もたれを倒したときに座面の後部がそれに合わせてゆくり沈み込む設計ですので、座面前部はほとんど動きません。
これのおかげで大腿部を圧迫させることなく気持ちよくリクライニングをかけることができます。
もちろんリクライニングの途中でロックさせることもできますが、この椅子の場合はがっちり固定されるという感じではなく、後傾方向に多少の遊びが残されています。ロッキング時に勢いよくもたれかかってもグッとバネの力で受け止めてくれる感じです。
そしてこのチェアの結構大きなポイントとなるのが実は座高だったりします。
大抵のオフィスチェアは一番低く設定して400〜420mm前後のものが多いのですが、giroflex33は380mmに設定できます。たかが20mmですがあなどってはいけません。
一般的にオフィスチェアの座高は身長の4分の1が適正だと言われています。座高400mmだと身長160cmまでしかカバーできませんが、
座高380mmだと身長152cmまでカバーできるのです。
小柄な方や女性が本気でオフィスチェアを買おうと考えたら、結構有力な候補じゃないでしょうか?ちなみに座高だけでなく横幅も他のチェアに比べてコンパクトに仕上がっているので、自宅のデスクで使いたい方なんかにもおすすめです。
ただ惜しむらくはヘッドレスト付きのモデルが存在しないこと!
私は基本的にパソコンワークが主業務ですので、日も傾いてくるとフルリクライニングの後傾姿勢でゆったり仕事をしたりします。そんな時にふとヘッドレストが欲しくなったりします。
しかしまあそれは「美はシンプルである」というこの椅子のコンセプトに反するのかもしれませんね。極細のフレーム、スクエアを基調としたデザイン、そして丸裸のメカニカル。シンプルに徹した、好きな人にはたまらないデザインだと思います。
確かに高いお金を払えばもっと高級で高機能なチェアを買うことはできます。しかし高機能チェアにも決して劣らない「基本性能」を搭載してこの価格。はっきり言ってコストパフォーマンスはかなり高いと思います。
この価格帯の中では自信を持ってお勧めできるオフィスチェアです。
とりあえず私はメーカーから返却依頼が来るその日まで、ずっと使い続けたいと思います。
そうそう蛇足ですがオフィスチェアに座るときはしっかり奥まで座りましょう。浅掛けの前傾姿勢や後傾姿勢は腰を痛めちゃいますよ。
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